高齢者デイサービスで利用者を動かすための心理テクニックを7つ紹介します。
心理テクニックは数多くありますが、今回は高齢者デイサービスで特に有効なものを選び、使い方例をセットにして記事にしました。
ただ、一応伝えておくと、心理テクニックを極めるとそれこそ相手を思いどおりに操る、なんてこともできてしまいます。
その意味で悪魔の心理テクニックと書きました。
ですから、ここで紹介されているテクニックを用いる場合、良識を持ったうえで使うことを約束ください。
相手を意のままに扱うことは、その人の尊厳を傷つけることになりかねませんから。
この記事は以下のような方におすすめです。
・高齢者デイサービスに勤めている人
・身近な高齢者が介護を拒否して困っている人
高齢者デイサービスで使える心理テクニック
①ハロー効果
人は、人やものに権威を感じると信用しやすくなります。
例えば、高名な医者だと言われれば、その人の言うことは信頼できると思い込んでしまうのです。
高齢者デイサービスでの活用例
(服薬を嫌がる利用者に対して)
介護員「〇〇さん、薬ですよ」
利用者「…」(口を閉ざす)
介護員「飲まないならお医者さん読んできますよ」
看護師(医者を装う)「〇〇さん、診察です」「口を開けて」「あー、これは治療しないといけませんね」「はい、これ飲んで」
利用者「…」(つい口を開ける)
②ピグマリオン効果
人は評価されたり、期待されるとそれに応えようとするものです。そのことを利用して肯定的評価を繰り返すと相手の行動を促すことができます。
高齢者デイサービスでの活用例
(レクに参加しない利用者に対して)
介護員「〇〇さん、参加しませんか」
利用者「いえ、見てるだけで結構です」
介護員「一緒にやりたいなあ」
利用者が少しでもレクに参加しようとしたら
介護員「〇〇さん、参加してくれようとして嬉しいです」
利用者「…」(レクに参加)
③ダブルバインド
二者択一を迫るテクニックです。
選択肢を出されると、その中から選ぼうとします。
その心理を使って、意図する行動をとってもらうのです。
高齢者デイサービスでの活用例
(お風呂を嫌がる利用者に対して)
介護員「〇〇さん、お風呂ですよー」
利用者「お風呂はいいわ、昨日入ったから」
介護員「今日は湯舟に浸かる?シャワーだけにする?」
利用者「…シャワーだけにして」
④肯定的否定
相手の主張をまずは肯定します。
そのうえで否定します。
先に肯定されることで、その後の否定を受けいれやすくなります。
高齢者デイサービスでの活用例
(着替えを嫌がる利用者に対して)
利用者「着替えるの嫌なのよ、めんどくさくて」
介護員「着替えるの嫌なんですね、めんどくさいですよね」
利用者「そうそう、だから着替えなくていいわよ」
介護員「着替えなくていいと思うんですね」
利用者「うん」(和らいだ表情)
介護員「着替えるの面倒なんだ、じゃあ今着替えちゃえば後が楽ですよね」
利用者「そう?」(何となくされるがまま着替えに応じる)
⑤カチッサー効果
人は、理由をつけて頼まれると応じやすくなります(「コピー取らせて」より、「コピーとらなきゃいけないからコピーとらせて」の方が、応じてくれます)。
その心理を利用して、何かと理由をつけると行動してくれやすくなります。
高齢者デイサービスでの活用例
(トイレに行かない利用者に対して)
介護員「〇〇さん、そろそろトイレ行っておきましょう」
利用者「ううん、行かなくても大丈夫」
介護員「足の状態みなきゃいけないんですよ、だからトイレ行きますよ」
利用者「そう」(介護員とトイレに行く)
⑥フットインザドア
人は小さなお願いを聞くと、大きなお願いも聞いてくれやすくなります。
一度「いいよ」と言うと、そのあと断りづらくなるのです。
高齢者デイサービスでの活用例
(デイに行くのを渋る利用者に対して)
介護員「デイに行く時間ですよ」
利用者「いや、調子悪いんだ、今日は行かない」
介護員「どしたの、じゃあ熱だけ計らせて」
利用者「…」(応じる)
介護員「一口でいいから水飲んで」
利用者「…」(飲む)
介護員「看護師に診てもらおうよ」
利用者「うーん」
介護員「今ならすぐ診てもらえるから、行くよ」
利用者「そうかい」(車に向かう)
⑦ドアインザフェイス
人は一度断った後、連続では断りづらくなるものです。
その心理を利用して、まずあえて難しいお願いをして、その後本命のお願いをすると、通りやすくなります。
高齢者デイサービスでの活用例
(帰りたがる利用者に対して)
利用者「帰らせて」
介護員「〇〇さん、今日はお泊りでしょう」
利用者「え、帰れないの?そんなの聞いてません、もう帰ります」
介護員「じゃあ18時まで待って」
利用者「もう少し早くならない?」
介護員「うーん、そしたら何とか16時になれば、車出せるから、それまで待って」
利用者「んーわかったわ、ありがとう」
あとがき
ここであげた心理テクニックは、特に営業の世界で駆使されてきたものばかりです。
営業の厳しい世界で有効だったものですので、当然ながら介護の現場でも効果てきめんです。
それだけに、何度もいいますが使い方を誤ると危険ですので、取り扱いにくれぐれもご注意ください。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
それではまた☆彡
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